佐賀町日記

林ひとみ

マイナンバー がんばる

総務省の発行するマイナンバーカード。 ひとりにひとつのIDカードだけれど、 2015年に番号通知のカードが届いて以来、 特に必要性を感じなかったので、そのままになっていた。 新型コロナウィルスのための ひとり10万円の特別支援給付金のIT申請では、 マイ…

オラファ―・エリアソン ときに川は橋となる

残暑のはげしい9月のはじめに 東京都現代美術館の企画展 「オラファ―・エリアソン ときに川は橋となる /Olafur Eliasson Sometimes the river is the bridge」を観た。 COVID-19の騒ぎがあって以来、 はじめて行くことができた展覧会だった。 江東区木場公…

残暑 首相 サピエンス

2020年の8月も暑かった。 関東甲信越地方では7月から、 環境省と気象庁による熱中症警戒アラートが試行された。 東京も連日35℃近くまで気温が上がり、 昼夜問わずエアコンがなかったらとてもかなわない。 今年はウィルスのこともあるので窓を放ち換気をしつ…

としまえん 遊園地

8月に入ると同時に梅雨が明けた。 待っていましたとばかりに洗濯を、 とくに寝具類などの大物をつぎつぎに洗った。 集合住宅で干す場所が限られているため、 毎日ひとつづつ。 それから洗えない布団類も、日々干し続けた。 梅雨のじめじめがうそのような晴天…

ノヴァセン | ジェームズ・ラヴロック

先日7/26は、天気のめまぐるしい一日だった。 燦燦と陽がさしたと思えば、急に雨が降り出し、 また陽がさして、どしゃ降りになって、、。 山の天気のような早変わりに、窓を開けたり閉めたり。 夕方には、いっとき虹がかかった。 大きな弧の、透明な淡いパス…

五輪 ショートパスタ

しとしとと雨の日がしばらくつづいた。 梅雨の時期は温度計よりも湿度計を見ることが多い。 湿度が連日60%をこえて、 フローリングをスリッパで歩くとペタペタいう。 春先と錯覚するような肌寒い朝、 セーターをひっぱりだしてはおった日もあった。 厚い雲…

七夕 2020

今日は7月7日の七夕だ。 朝から厚い雲に覆われて、雨まじりの強い風が吹いている。 集合住宅の6階は地上とくらべると風の強さがひときわで、 ベランダの植物は次々となぎ倒されてしまった。 ここのところ2日おきくらいに倒れているけれど、 雨風のこの激し…

梅雨 アドルフ 沖縄

今年の東京の梅雨入りは6月11日だった。 入れかわるようにその翌日、 沖縄はいち早く梅雨明けを迎えたという。 冷たい気流と暖かい気流がせめぎあい 梅雨前線がしばらく停滞しているように、 COVID-19の感染者数は低空飛行が続いている。 このところ東京の新…

しずかな朝 両国

4月7日に日本全国へ発令された COVID-19の緊急事態宣言は、 地域別の段階的な解除を経て、 5月25日に完全解除となった。 およそ48日間、7週間にわたり わたしたちは自主的な外出自粛生活を過ごした。 同じようにパンデミックを経験している 他国とくらべてよ…

詩集「藍の月」プレゼント

今春、流行したCOVID-19は 日本ではだいぶ落ちついてきた。 緊急事態宣言も段階的に解除されて、 都内のお店もぽつぽつ開きはじめ、 街には人が戻りつつある。 みな平然とした顔をしているけれど、 どこか恐る恐るという気持ちはマスクでは隠せない。 目にみ…

マスクとマネー

東京も引きつづきの緊急事態。 慣れてきたのかどうか、 そろそろ日にちや曜日、 かつての日常の感覚も薄れてきた。 それがよいことなのか、 よいことではないのかは、わからない。 いつ頃からだろう、 毎朝10時に江東区の防災無線から 「新型コロナウィルス…

かぜなおる

4月8日頃にひきはじめた風邪は、 大事にいたることなく治癒した。 症状は、 喉の痛みと怠さと寒気のみで、 違和感がなくなるまでちょうど2週間。 友人とふたり暮しなので幸い、 家から一歩も外へ出ずに過ごすことができた。 眠っても眠ってもまだ眠く、 睡眠…

かぜをひく

STAY HOME の号令のもと、 外出がままならない日々が続いている。 家の近くの隅田川沿いのテラスは、 歩く人、走る人、犬の散歩、などの人々で びっくりするほど賑わっている。 暗い顔をしている人はあまりいない。 ウィルスのことは一時忘れて、 みんな平和…

花まつり

今日はお釈迦様の誕生日。 地球にひとつの光がうまれた おめでたい日。 昨夜、空に満月が輝く頃、 私たちの首相は緊急事態宣言を発令した。 関東・関西・九州のそれぞれ一部、 東京・埼玉・千葉・神奈川・ 大阪・岐阜・福岡は、 未だ経験したことのない、 未…

春のゆき

今日、また春の雪が降っている。 東京は今週末、 桜の見頃をむかえているけれど、 COVID-19の影響で、大きな公園は封鎖、 立ち入り禁止になっているそう。 今日の雪は 天からの外出自粛要請のよう。 本当に、ふしぎな春です。 sagacho-nikki.hatenablog.com

ふしぎな春

今年の春は 家のベランダの桜が咲かない。 どうしたことか蕾がひとつもつかなかった。 ふつうなら花のあとに芽をだす若葉も、 出ずに出られず、ほとんど冬木のままの出で立ちで、 例年の3倍ちかく花咲いた昨年が夢のよう。 唯一、根元から20㎝ほど伸びている…

詩 レクイエム

きのう 春の雪が降った 天から地への ホワイトデー アレクサンドル・ソクーロフの ドキュメンタリー モーツァルトの レクイエムを観た 黒マントにすっぽり 身をつつんだ聖歌隊 楽譜を捧げ 舞台のうえを彷徨する 信徒は歌う 止まる 座る 集まる 散る 死神は近…

春いちばん 2020

昨日2月22日は 風のとても強い一日だった。 ベランダの鉢植えの植物のうち ネズミモチなどの葉のついた常緑樹は ゴトンという鈍い音とともに倒れてしまった。 風の収まったかにみえた夕方に 一度起こしてみたが、またしばらくして倒れていた。 桜や欅などの…

2月尽

今日は2020年/令和2年2月22日。 なんだかルーレットにでも当たって おめでたいようなうれしいような日だ。 すっかり春めいてきたこの頃。 気温も湿度もおだやかにあがって、 コートやマフラーの内で汗ばむ日もある。 梅の花もあちこちで咲いている。 ときお…

立春 2020

今日は立春、 こよみのうえでは春になりました。 今季の冬はそうじて暖かかった。 ちいさな雪も降ったし、 きゅうぅと凍えるように寒い日も 数日はあったが、連日とはならず、 まだこれからあるかもしれないけれど、 ずいぶんと過ごしやすい冬だった。 空気…

みぞれ

夜半より降りだした雨 冷たい雨が雪になりました しばらくするとまた雨となり ふたたび雪にかわります 鳥たち スズメとヒヨドリたちが いつもより頻繁に パンを食べにやってきます ベランダにつぎつぎと 枯枝に葉がついたように 鈴なりにとまり よく歌います…

お正月 2020

あけましておめでとうございます うす水色の空に 羽二重のような初日がひろがり わた雲は思い思いに くつろいでいます 静かで華やかな とくべつな朝 いつになく ひとの心も 湧泉のように 澄んでいます 尽きることのない その希は かぎりなく清らかです 高ら…

詩 クリスマス

街を歩く 灰色の天幕に 演出された 聖なる日を行く ひとり ふたり さんにん 群衆へ告げる 拡声器の福音 イエス・キリストは わたしたちの罪の犠牲となられたのです 悔いあらためるは幸いの者 神の国は近づいています 銀色のスーツケースが むかってくる スニ…

詩 こおり

水たまりに薄い氷がはった 指でそっと押してみる 息をころす たちまち壊れた ゆらり 氷が水のなかに ちぎれて浮かぶ 架空の大陸 輝きながら 小さくなってゆく 透明な朝 カーテンをあける 白いカーテン 世界に色がうまれた いろいろな色 ちりばめられた 太陽…

もみぢ なわしろぐみの花

11月8日の立冬をまたぎ、 暦のうえでは過ぎ去ってしまった秋だけれど、 東京はちょうど紅葉の見頃を迎えている。 ここ数日の風雨でいくぶん散ってしまったが、 気温もぐっと下がり、色が深まり、 赤や橙や黄が透き通るように鮮やかだ。 陽光をうけたもえるよ…

なみ

はるかにつづく おおきなひろい 海とじいっと むきあっていると ざわついた心の波が すうとひいてゆく ざざざざん ざぶざぶん わたしはなんてちいさく はかない存在でしょう あなたをまえに それはとてもうれしいこと と呟くと いかにも わたしのかわいい娘…

かぼす 2019

9月の終わりに 大分からかぼすが届いた。 今年のかぼすは いつになく大きさも色も整っていて、とてもきれいだ。 包丁で割ってみると、 みずみずしい果汁がたちまちあふれだす。 口にふくむと、舌を伝って、 顎の付け根から耳の穴に向かって、 酸味が走り抜…

声楽公開レッスン2019 ウィリアム・マッテウッツィ

去年につづき今年も ウィリアム・マッテウッツィ教授の 声楽公開レッスンを国立音楽大学で聴いた。 高田馬場から西武新宿線の急行で 玉川上水駅へ向かうこと約40分。 9月末の気持ちよい行楽日和で、 向いの席の足元にはトレッキングシューズが3足、 心躍る…

携帯電話を替える

9月は太陽の傾きをよく感じる月だ。 夏に空高くを描いた太陽の通り道は、 いつの頃からか徐々に高度を下げて、 気づけば斜めに、窓から暮らしの中へと差しこんでくる。 天頂から燦燦と降り注ぐ夏の光線とはまた別の、 透明度の高いまぶしさが印象的な季節だ…

NEUE STIMMEN 2019 in YOKOSUKA

残暑のつづく9月の初めに 世界オペラ歌唱コンクール「新しい声2019」の 公開オーデション2日目をみに横須賀芸術劇場へ行った。 品川から京急線にのりかえておよそ1時間、 クラシックなえんじ色の電車の車窓から、 三浦半島の風景をものめずらしく眺める。 だ…