佐賀町日記

林ひとみ

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

映画 エミール・クストリッツァ | UNDERGROUND

エミール・クストリッツァの「アンダグーラウンド」を観た。 1995年に制作された長編5作目にあたる本作は、 集大成のような、ベスト盤のような映画だと、 監督は語っている。 物語は、 ふたりの男の間に交わされた友情と裏切りや、 人々を騙し利用しつづけた…

戸田奈津子 | 午前十時の映画祭

「第三回 新・午前十時の映画祭」のチラシをみつけた。 「午前十時の映画祭」は、 名作・傑作を1年間にわたり週替わりで午前十時に上映する、 映画演劇文化協会主催の映画祭だ。 2010年より開催され、今回で通算6回を数えるそうだ。 上映館を拡大しつつ6年継…

映画 ルキノ・ヴィスコンティ | 白夜

ルキノ・ヴィスコンティの「白夜」を観た。 1957年に制作された、監督5本目の作品だ。 ロシアの文豪フョードル・ドストエフスキーが、 1848年・27歳のころに書いた、同名の中編小説を原作とした、 数夜のはかない恋物語。 孤独で夢想家のマリオ/マルチェロ…

合唱 表現する

混声の合唱団に所属し、 週1回の練習に参加している。 ある楽曲に取り組んでいるときに若い作曲家から、 絶望して斜に構えている心情を表現してください、 といわれた。 共感できないものを表現するときは、 どうしたらいいのだろう。 この場合、心理的に、 …

映画 カール・Th・ドライヤー | Ordet

カール・Th・ドライヤーの「Ordet」を観た。 1979年日本公開時につけられた邦題は「奇跡」だが、 デンマーク語の原題「Ordet」は、 ギリシャ語「Logos」に相当する、 神の御言葉、というニュアンスであるようだ。 映画監督カール・Th・ドライヤーの、 全14本…

本 木山捷平 | 白兎 苦いお茶 無門庵

人の世に、 小説家の数だけ、 種々様々な小説がある。 そう短くも長くもない人生のうちに、 すべてを読むことはできないだろうし、 またその必要もないだろう。 すると、 いつ、なにを、読むかということになる。 そういうとき、 呼んでいるような、呼ばれて…

ボイジャー

無人惑星探査機ボイジャーの旅立ちにあたり、 1977年6月、当時のカーター米大統領が発表した、 公式コメントのなかの一文。 「われわれはいつの日にか、現在直面している課題を解消し、 銀河文明の一員となることを期待する。」 未知の文明は、銀河のどこか…

たとえば

しょんぼり元気がないときは ボイジャーにのって宇宙を旅している、 ゴールデンレコードのことを考える。 未知の生命体への、地球からのメッセージ。 画像116枚・言語55種・音楽27曲・サウンド21音が、 冒険をつづけている。 なかでも、とくにすきなのは、 …

セバスチャン・サルガド | THE SALT OF THE EARTH

書き初めにならい、 映画初めに、昨夏公開された 「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」を、 早稲田松竹で観た。 監督はヴィム・ヴェンダースと、サルガドのご子息、 ジュリアーノ・リベイロ・サルガドとの共同作品。 1944年ブラジル生まれのフォト…

佐賀町日記

2016年になりました。 ふと文章を書きたくなりました。 東京江東区の佐賀町に住んでいます。 かつて一帯は海岸の干潟であったそうですが、 埋立地として開発され、1695年/元禄8年には、 その地形が肥前の佐賀湊に似ていることから、 佐賀町と命名されたとい…