佐賀町日記

林ひとみ

雑記

さくら 2024

今年のさくらはゆっくりだ。 靖國の桜は3月29日に開花宣言されたけれど、 街中はまだまだこれからという感じ。 お天気の変わりやすい日が続いている。 毎年きれいな花を咲かせてくれる 家のベランダの啓翁桜は、今年は咲かない。 切り花で家へやってきた2009…

うるふ月 新宿御苑

今日は2月29日。 4年にいち度の閏日だ。 この日にうまれた知人は、 4年に1歳しか年をとらない、 といっていた。オリンピックみたい。 たとえば同級生が還暦を迎えても まだ15歳なのかな。いいのかな。 梅と水仙の見頃の新宿御苑で、 幼稚園から小学校と中学…

F・D・フローレスのリサイタル

1月の終わり、 春の兆しにみちた暖かい夜に、 上野の文化会館で、 ペルー出身のテノール歌手、 ファン・ディエゴ・フローレスの リサイタルを聴いた。 今回はプログラムの予告にモーツァルトのオペラから ティートの2つのアリアが組まれていて、 この人のモ…

日本銀行本館の見学

新年の松の内が明けて、 小正月も過ぎた頃の寒朝、 日本橋にある日本銀行本館の 見学会へ参加した。 およそ20年ごとに 新しいデザインに切り替わるお札は、 今年7月3日から発行されることに。 現在の福沢諭吉・樋口一葉・野口英世から 新しく渋沢栄一・津田…

2024年はじまり

あけましておめでとうございます。 令和6年、甲辰/きのえたつの2024年は、 数え方を変えると、 皇紀2684年、昭和は99年、平成は36年、 なのだそう。 思えば、キリスト教徒でないのに、 イエスの誕生を基点とする西暦を、 普段使いしているのだから不思議。 …

あとの夢

今年もあと僅か。 毎年のことながら、 年の瀬になると いつも感慨深い。 一年間よくがんばりました。 今年も いちねん おわります 365日 ときどき 366日 もしかして 8760じかん 3153万6000びょうの 夢ならどうしよう まばたきと まばたきに むすばれた 穏や…

師走の和太鼓

あたたかい12月。 二十四節気の大雪にあたる日に、 門前仲町の富岡区民館に、 江東区長選のための、期日前投票に行った。 今年の4月に行われた選挙で、 はじめての女性区長が誕生して、 明るい雰囲気になったと思ったのも束の間、 公職選挙法の違反があった…

直島と月島で

瀬戸内は香川県の直島で、 2006年の秋と、2007年の春に、 島全体を展覧会会場として開催された 企画展「直島スタンダード2」。 その時に一緒にスタッフとして参加した友人と、 東京の月島で束の間の再会をした。 毎年、年賀状のやりとりをしていたから、 ご…

はちがつはつねつ

8月の中旬に発熱した。 友人からもらってしまったようだ。 たぶん季節外れのインフルエンザで、 みるみるうちに高熱に。 夕方に歌の練習をしていたら、 鼻の奥にぱさぱさするような違和感を感じて、 途中で練習をきりあげた。 翌日は午前中からお腹がむかむ…

ばらの咲く

6月のはじめに 挿し木をしたばらの花が一輪、咲いた。 切り花のときとはずいぶん違う、 ワイルドローズのようなお花。 花屋さんに並んでいたときの顔は、 よそ行きだったのかしら。 鉢植えにしてふた月、 肥料をあげるでもなく、 自然に結ばれた蕾に感動する…

樟 薔薇 エトセトラ

昨年12月、佐賀へ旅した際に、 拾ってきた樟/くすの実。 佐嘉神社の境内の大木から、 ぽこん、ぽこん、と落ちてきた、 紫色の正露丸のような、堅い実。 それを3つ4つお土産に、 江東区佐賀町の家のベランダの鉢に入れたら、 1か月もしないうちに芽がでた。 …

庭園の休日 エトランゼ

4月に入ってすぐ、 7歳の甥っ子のピアノの発表会を聴きに行った。 昨年にひきつづき2度目のステージで、 1年前には抜けていた前歯も、 すっかり永久歯になり、たくましい。 春休み中に、 ひとりでおじいちゃんの家にお泊りして、 電子ピアノを持ちこんで練習…

さくら 2023

ベランダのさくらの花が咲いた。 挿し木をして14年目の啓翁桜。 水だけで、肥料もなく、 毎年咲いてくれる。 2023年のお花を、ありがとう。 靖國神社の今年の開花は、 14日のホワイトデーだったよう。 温暖化の影響か、 年々開花が早まっているらしい。 その…

2月 2023年

節分と立春を過ぎて、 春の陽ざしを感じられるようになってきた。 確定申告を早々にすませて、ほっとひと息。 ちょうど昨年の今ごろ、 北京オリンピックの最中の2月24日に、 ウクライナへのロシアの侵攻という形で、 西側と東側の戦争が始まった。 大多数の…

お正月 2023

今年のお正月は暖かかった。 よく晴れて、静かで、 世界が透きとおってみえた。 三が日を過ぎたころ、 近くの清澄庭園へふらりと寄った。 大すきな石の庭園。 水辺に水仙が群生している。 花のたもとがきれいに直角に傾いて、 水面に映るものの美しさに見惚…

佐賀の旅 その弐

はじめての佐賀の旅。 お昼を食べるのも忘れて、 ときどきベンチをみつけては、 佐賀名物のボーロをいただきながら、 南のほう、お城跡のほうへ向かって歩く。 ずいぶんと大きなお濠に沿って、 見事な樟/くすの並木が続いている。 戦国時代の大名・龍造寺/り…

佐賀の旅 その一

江東区の佐賀町に暮らし始めて、 2012年12月から、ちょうど10年。 小さな町の風景も少しづつ変化した。 当初は窓からスカイツリーがよく見えた。 全国的な人口減少社会のなかで、 江東区の人口は45万人から52万人に増えた。 地価の動きと連動して家賃も上が…

赤い月

きのうの夜 赤い月をみた 雲のほとんどない ブルーブラックの夜空 星がいくつか 輝いている 大きいの 小さいの 東の低いところに 黄金色の満月も 18:09 だんだん 月が欠けはじめる そのすこし前から 大気がゆれはじめ 風もぴゅうぴゅう 月のまわりの 青白い…

秋の台風

秋の台風シーズン。 9月も大きな台風がふたつ、 日本列島を通り過ぎた。 はじめ南洋の海にうまれた熱帯低気圧は、 移動しながら強風を伴う台風へと発達し、 陸上の寒気と出会うことで勢いを失って、 やがて温帯低気圧となって消滅する。 9月の中旬、とくに大…

77回目の終戦日

今年の夏は 西瓜と枝豆をよく食べた。 西瓜はほとんど毎日、 枝豆は二日に一度くらい食べた。 食欲のない夜は、よく塩をきかせた 枝豆だけで済ませることも。 そんなとき漫画家・水木しげるさんの 短編「地獄と天国」を思い出す。 現在のパプア・ニューギニ…

宮崎の青島

6月の満月の頃、 宮崎の青島へ旅をした。 ひょいと3日間、 自由に動ける時間ができたので、 直前の思いつきで西へ向かった。 日向国/ひゅうが・ひむかのくにへ。 今年の梅雨入りは、 東京は6月6日、九州は6月11日で、 雨を心配したけれど、 傘が必要なのは1…

クローバー

6月は白い花があちこちできれい。 どくだみ、やまぼうし、カラー、 くちなし、たいざんぼく、 それに名まえを知らない大小の花々も。 先日は図書館に寄ったついでに、 港区の芝公園を歩いた。 曇り空がやさしくて、緑が心地よい。 だんだん息も体もゆるんで…

蒸気機関車 デジャヴ 鳩 

今日は子どもの日。 光の種をまく、 小さな賢者たちの日。 健やかでありますように。 といっても、 そう考えるのは大人の領分で、 実際の子どもはもっと多面的で生々しい。 7歳になる甥っ子と、3歳の姪っ子と、 静岡の大井川鐵道を旅してきた。 今年のお正月…

いっぺんに春と秋

新年度や新学期がはじまり、 街も人もどことなく雰囲気が変わった。 新しく何かが動き出してゆくような、 躍動感と明るさが感じられて、うれしい。 人はポジティブなベクトルに安心する生き物なのだろうか。 自然とそういう流れを創りだそうとする。 それが…

さくら 2022

家のベランダの 啓翁桜の花が咲いた。 しばらく春らしいお天気が続いて、 今日の満月も影響しているのか、 例年よりすこし早い開花となった。 一昨年と昨年は、 ほんとうに花が少なく心配したが、 今年は蕾がたくさんついているので、 よかった、ほっとした…

戦争のこと

今日3月10日は東京大空襲の日。 77年前の今日の日付に変わる頃、 今わたしが住んでいる江東区は、 一面の焼け野原になった。 戦争とはいえ、 一夜にして10万の市民が亡くなった、 いまの感覚でいえばまさしくジェノサイドだろう。 当時、練馬区に住んでいた…

青梅丘陵 

2月の中旬、ちょうど満月の日に、 青梅丘陵へ山歩きにいった。 昨夏から登山をはじめて、 いろいろなツアーに参加してきたので、 そろそろひとり歩きに挑戦してみたかった。 ガイドさんに相談すると、 はじめてひとりで歩くなら、コースアウトの心配のない …

わたしの乳歯

2月はじめの節分・立春をすぎて、 まだしばらく寒い日がつづいている。 10日には雨が雪に変わったし、 今日13日も午後から雪になる予報だ。 灰色の雲に覆われて、 街はしんとしている。 そういう静かな日もいい。心なしか、 部屋のエアコンの音が大きく感じ…

1月尽 2022

あしたで1月がおわる。 日本語の国あけましておめでとう ひとみ 今年の新年句だ。 今月はいつになくよく句会に参加した。 まだ対面でできているけれど、 急遽、通信句会に切り替えた会もあった。 日本は目下、 新型コロナウイルス・オミクロン株の大流行中。…

あけまして 2022

2022年があけました。 令和は4年、干支は壬/みずのえの寅年。 明治は155年、昭和は97年、 そして皇紀は2682年、なのだそう。 いろいろな時の計り方があって面白い。 世界にはほかにもいろいろな暦があって、 そういう認識の揺らぎみたいなものに、 ものすご…