佐賀町日記

林ひとみ

あけまして 2022

2022年があけました。

令和は4年、干支は壬/みずのえの寅年。

明治は155年、昭和は97年、

そして皇紀は2682年、なのだそう。

いろいろな時の計り方があって面白い。

世界にはほかにもいろいろな暦があって、

そういう認識の揺らぎみたいなものに、

ものすごく惹かれる。

 

今年の初詣は水天宮へ。

「分散参拝にご協力ください」とのことなので、

5日の夕方に一人でうかがうと、

たまたま辯財天さまが開帳していた。

お会いするのははじめてではないはずなのに、

どうしてかはじめてのように感じた。

8本の手にさまざまな道具をもつ寳生/ほうしょう辨財天で、

この日、頭上から覗くもうひとつの小さな顏に、

釘付けになった。なんともいえない奇妙な表情。

男とも女とも、笑っているとも馬鹿にしているとも、

優しいとも厳しいとも、真面目ともひょうきんとも

いえるような顔が、世俗に興味津々といったふう。

5日と巳の日に扉が開くそうなので、

また会いに行こうと思うのだった。

 

松過ぎの週末には、

奥多摩と山梨の山に登った。

ところどころ雪が積もっていたけれど、

この時期にしてはずいぶん暖かいようだった。

山梨の柳沢峠1472mから丸川峠1680mまで、

ほとんど高低差のない山道を楽しく往復する。

時折、ねずみ・うさぎ・たぬき・てん、などの足跡を

みつけては、こちらからあちらに向かったとか、

ここで立ち止まって、あそこに飛んで、などと、

その動静を思い浮かべて遊んだ。

陽のあたらない雪道では、ひと足ごとに

きゅっきゅっと雪のしまる音がして、

足裏に伝わる雪質の感触と音をよろこんだ。

富士山は真白で、いつみても美しい。

そしていつも一度きりの時。

 

人の人生みたいに。

 

今年もよい一年でありますように。

 

sagacho-nikki.hatenablog.com

 

sagacho-nikki.hatenablog.com