冬とティートリー

今年は秋から冬のはじめにかけて

ずいぶんあたたい日がつづいている。

 

ときおり思い出したように

寒々とした冬空が訪れることがあっても、

またすぐに過ごしやすい日和につつまれて、

コートの出番はもうすこし後になりそうだ。

 

だからめずらしく

木枯らしも吹くタイミングを逃したようで、

やっと12月も数日過ぎたころに

春一番のような生あたたかい強風が吹いて、

一応といったふうに枯葉を舞わせていた。

温度と映像がちぐはぐで、

めまいのメカニズムが作動しそうだ。

 

家のベランダの啓翁桜/けいおうざくらも

いつもなら紅葉している頃だけれど、

夏の猛暑と水不足で葉を落としたこともあってか、

10月下旬に狂い咲きの花がふたつ咲いたり、

紅葉を忘れたりと、ちょっと混乱しているようだ。

 

そんななか、規則正しくやってきたのは空気の乾燥で、

そろそろ皮膚や呼吸器のケアに気を配りたい。

私の場合、2015年に慢性上咽頭炎を経験したので、

とくに喉鼻の乾燥には注意している。

 

咽頭炎/じょういんとうえんは、

空気の汚染・乾燥・冷気などをはじめとした様々な要因から、

咽頭/喉と鼻が交わる辺りに炎症が起こる

はやりの慢性疾患のひとつということだった。

ひりひりとした強い乾燥感に悩まされて

1年近く続いた耳鼻咽喉科通いだったけれど、

治療は炎症箇所に塩化亜鉛溶液を塗布するという原始的な対処療法しかなく、

不快で痛みも強いので、ほんとうに辛かった。

発症すると完治することはないといわれたけれど、

その後はマスク・耳栓・鼻うがい・吸入器・ミントオイルなどで、

幸い小康状態を保っているので、ほんとうによかった。

 

また慢性でなくとも、

風邪などから誰でも急性/一過性の咽頭炎になったことはあるだろう。

そろそろインフルエンザの季節でもあるので、

うがいと手洗いはきちんとしたい。

 

うがいにはティートリーの精油が効果的だと

最近教えてもらった。

ミネラルウォーターに塩/10%と

ティートリー/2~3滴を混ぜてうがいしてみると、実に強力だった。

ティートリーは主にオーストラリア原産のフトモモ科の常緑植物で、

その精油には抗ウィルス・細菌・真菌などの作用があるという。

そういえば以前、歯茎にちょっとした炎症がおこったときに

歯科医から「ティートリーを綿棒にしみこませて

ちょいちょいと炎症箇所につけておくとよい」

と聞いたことを思い出した。

 

今年は1月にインフルエンザB型でダウンしたので、

今季はパワフルな精油に守られて、

どうか元気で過ごせますように。

詩集「藍の月」

詩集「藍の月」をつくりました。

 

 

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A5判、68頁。

詩22篇を挿画ととも収録。

2018年11月22日発行。

 

詩集を通して

たくさんの方と出逢えますように。

 

下記よりご注文いただけます。

よろしくお願いいたします。

 

季節書房HP

https://kisetu-shobou.jimdofree.com

☆リンクしづらい場合は、ブラウザでURL検索してみてください。

 

バラの花 またひとつ

ベランダの鉢植えの

バラの花がまたひとつ咲いた。

 

今年4月に挿し木した幼いバラの樹に

花が咲いてびっくりしたのは秋分の9月23日頃だった。

そのひとつめの花は1週間ほど元気に咲いていたが、

9月30日から翌10日1日にかけての夜中に通過した

ものすごく大きな台風に、ひとっとびにさらわれてしまった。

台風24号はまれにみる大きな台風で、翌朝は街中が

ひきちぎられた樹の枝や葉っぱなどで、雑然としていて、

おちおち車も通行できないような吹き溜まりもあった。

バラの花びらもそのようにどこかへ運ばれたのだろう、

あっけないような、いっそきもちがいいような。

 

そのことが悔しかったのか、その後、

枝をぐんぐん上に伸ばして、葉をもっと大きく広げて、

秋の変わりやすいお天気にもめげず、樹丈も50㎝ほどに成長し、

ふたたび新しいつぼみをつけたのは、10月28日頃だった。

えっ、また花が咲くの?と驚きつつ、

バラの樹の気の強さのようなものを感じたのだった。

そうしてすこしずつ、ふくふくふくとつぼみがふくらみ、

5枚のガクが星のようにひろがって、ようやくここ数日で、

深紅色の花輪がふんわりとほころびはじめた。

秋の深まりのためか、ずいぶん時間がかかったけれど、

ひとつめの花よりもずっと大きく、また花形も進化して、

花屋さんに並んでいてもおかしくないような

立派な八重の花になった。ちょうど昨年の今頃、

切り花だったときとおなじような美しさで咲いている。

 

とっくに立冬を越したのに、もう11月下旬も近いのに、

そういうことはあまり関係ないのか、

咲きたいときに咲きたいように咲いていて、

なんだかいい。

 

自由は、自己に忠実であることとにている。

わたしたちのなかにある自由の種の、その声に、

静かに耳をすましたい、秋のおわりだった。

 

 

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詩 かぼちゃ

トリック・オア・トリート!

いたずら・か・お菓子!

 

かぼちゃの

ランタンに照らされて

 

呪文をとなえる

ハロウィンの魔法の夜

 

ニャーニャオと

かわいらしい2匹の猫が

電車にのってきた

 

三角の耳に

ふさふさした体毛と

しっぽのついた

 

グレーの猫は

 

こどもでも

おとなでもない

メスとオス

 

どこか

新天地に降り立つ

アダムとイヴのように

 

あたらしくて

あどけない

 

いっぽう

かぼちゃの馬車の通勤電車に

ゆらゆら揺られて家路をたどる

 

おとなたちはみな

おなじみどおりで 

 

だれひとり 

2匹のグレーの猫に

気づかないようだった

 

まるでみえないのか

みえないふりをしているのか

 

魔法にかかってしまったのか

魔法にかからないのか

 

あかるく楽し気なグレーの猫たちと

いささかグレーにしずみがちな

通勤馬車とのコントラストに

 

くるくるくるくる

 

おとぎの国に迷いこんだ

アリスの気分

 

かっちりと

スーツに身を包む

おとなたちの

 

さまざまな

装いを身に纏う

わたしたちの

 

だれが仮装で

だれが仮装でないと

いえるだろう

 

すべてが曖昧に

奇妙にみえるのは

 

トリック・オア・トリート!

 

ゆらめく

かぼちゃのランタンの

 

いたずらな

夜のせいかな

かぼす 2018

今年もかぼすの季節がやってきた。

 

猛暑や台風などの変りやすいお天気にもめげず、

むしろ寒暖の差のはげしさも手伝って、

今年はたとえばぶどうの実りがよいときいたけれど、

9月のおわりに届いた大分のかぼすも、

いつになく元気いっぱいだった。

 

夏はあんなに暑かったのに、

台風がきて急に寒くなったり、

また突然暑くなったりしたのに、

あなたへっちゃらだったのね、すごいわね、

といいながらレモネードならぬ

カボスネードをつくって飲んでみる。

すっぱあまい、しぼりたてはほんとうにおいしい。

 

いつものように

パスタやうどんにかけたり、

はちみつ漬けをつくったり、

種でローションをつくったり、

皮をお風呂にいれたり。

 

今年ははじめて寒天ゼリーをつくってみた。

粉寒天4gを水400ccにしばらくなじませて、

中~弱火で3分程ようく煮とかし、

火からおろしたらはちみつ約80gを加えて、

粗熱がさめたらかぼす大3個くらいの果汁100ccと混ぜ合わせて、

冷めたら出来上がりだ。

 

簡単で美味しかったのだけれど、

うっかり水の分量をまちがえて

カチンコチンになってしまったり、

甜菜糖でつくって

鮮やかなイエローが茶色になってしまったり。

 

そういえば、

なにか落としたり零したり忘れたりと、

なんだかぼっーとしている数日だけれど、 

秋の深まりつつある一日一日を、

ゆっくりとした気持ちで過ごしたい10月だ。


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声楽公開レッスン ウィリアム・マッテウッツィ

先日、国立音楽大学・講堂小ホールで

声楽の公開レッスンを聴講した。

 

講師はイタリアから招聘された

William matteuzzi/ウィリアム・マッテウッツィ教授で、

2015年以来、毎年来日し講義されているそうなので、

今年で4年目・4回目になるのだろうか。

イタリア北部・ボローニャ出身のテノールで、

とくにロッシーニの歌い手として名高いそうだが、

バロックから近代までレパートリーは幅広く、

またフランス音楽にも造詣が深く、

hight F をファルセットではなく実声で歌える、

驚異的な高音域をもっていらっしゃるとのこと。

 

今回のマスタークラスでは4人のレッスンが公開され、

そのすべてのステージが充実し見応えがあった。

昨年以前にも何度かみていただいている受講生もいて、

そういう場合、声も気心も多少知れているというふうで、

よりパーソナルで具体的なレッスンへと進展したことも、

興味深かった。

 

ソプラノ2名、メッゾ・ソプラノ1名、テノール1名の

各40~50分前後のレッスンは、

まず「あなたのいいところは〇〇」からはじまって、

曲の構造や演奏記号を確認しつつ、

具体的な課題にフォーカスしてゆくという流れだった。

公開レッスンというデリケートな環境にある

受講生をリラックスさせ、聴講生たちもふくめて、

指導をよりよく受容できるような雰囲気に満ちていた。

 

各レッスンに共通する発声のトピックスは明瞭だった。

 発声の3本柱として、

・一定の息を送りつづけること。

・マスケラに集めた響きをつくること。

・軟口蓋をあげて喉頭をさげて、共鳴空間をつくること。

をあげていた。

 

また度々「molto molto molto 」といって、

時には片言の日本語で「もっと もっと もっと」といって、

軟口蓋をあげてその上を音が通過するように、

ハミングの響くところ・マスケラをつかって、

頭部から音響がでてゆくように、

子音 r や d がはっきりと聞きとれるように、

などがくりかえされた。

 

よくいわれる支え/アッポッジョについては、

意識しすぎて必要以上に力んだり踏んばったりすると、

つられて胸部も緊張して硬くなり、

息が通らなくなって、音がとじこもってしまうから、

支えが必要と思ったら、とにかく息を送ること。

というアプローチ法は明快だった。

 

換声点/パッサージョあたりの音域で不安定になったり、

母音 a や e が、ひらきすぎたりおおきすぎたりして、

ピッチが落ちてしまいがちな問題についても、

実際に歌って音の違いを明確にしていただき、わかりやすかった。

なかなか自分では気づきにくいので、

よほどの注意が必要だと思った。

 

所々で表現を変えながら伝えられた問題の解決法は

かけがえのないもので、たとえばよく知っているものでも、

とても新鮮に、新しいことのように聴こえたから不思議だ。

高音は力をつかってださずに、響きを一点に集める。

息がまわらないと思ったらトリルをすると楽になる。

頭に r をつけてみると余計な力が抜けて息がとおりやすくなる。

ni・mi で響きの場所を確かめてから歌詞でうたう。 

などなど。

 

3時間半にわたる全レッスンは

ほんとうにあっというまだった。 

 

「発声の説明は十分で済むが、身につけるには十年かかる」

というルネ・フレミングの言葉をかみしめながら、帰路につく。

また来年も聴講したい。

バラの花

4月に挿し木したばかりの

バラの樹に、一輪の花が咲いた。

 

まだ背丈も30㎝にならないくらいの

子どもの樹だと思っていたので、

つぼみができて、ふくらんで、

日々すこしずつひらいていく様子に、

ほんとうにびっくりした。

 

昨年11月に切り花でいただいた時と同じく、

花は華やかな深紅色だ。

ベランダの鉢植えたちの緑色のグラデーションのなかで、

紅一点、よく映えている。

ところがその形は、先代は手毬のようにまあるい

ボリュームのある八重の花だったのだけれど、

当代は8枚の花びらが、いささか平らに

お星さまような形にひらいている。

肥料を与えていないせいもあると思うけれど、

野生にかえって、人の意向を気にしないで

すきに咲いているというふうで、清々しい。

 

もしバラが言葉を話せたら、なんていうだろう。

「切られて、運ばれて、植えられて、

 どうなることかと思ったけど、

 今のこの場所なかなか気に入ってるんだ。

 生きてるって、すごく楽しいね!」かな。

 

今日はちょうど秋分の節日だ。

バラの種名がわからないので、 たとえば

「Autumnal Equinox Rose/秋分のバラ」

と名付けてみよう。

気に入ってくれるかな。

 


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