ベランダのさくらの花が
ふたつ咲いた。
ものすごく小さい5mmくらいの花だ。
おととしのびっくりするくらいの花の数から一転、
昨年はひとつも咲くことなく、
今年はふたつ咲いた。よかった。
生きているから毎年ちがう。
人のからだも毎日ちがう。
そういう小さな変化に、大きく驚くこともある。
1歳半の姪っ子は、
まだうまくしゃべれないのだけれど、
「お母さんは? お兄ちゃんは? おじいちゃんは?
ひとみちゃんは?」と問いかけると、指をさして応える。
「お目めは? お鼻は? お口は? お耳は?」ときくと、
きちんと指をさして応える。ちゃんとわかっているのに感動する。
そしてきいていないのに、その後もつづけて、
足や、頭や、お尻を指さしてみせる。
子どもの成長はほんとうに面白い。
世界はどういうふうにみえているのだろう。
どういうふうにきこえているのだろう。
不思議でしかたない。いまふたたび体験してみたい。
人の望みのよろこびよ。