佐賀町日記

林ひとみ

御岳山

お正月の松の内が明けて、

初詣の参拝も落ち着いたころ、

青梅の御岳山/みたけさんへ初登山に行った。

 

中央線のホリデー快速青梅駅で下車、

各駅停車に乗り換えて、古里駅からのコースをゆく。

気温は比較的あたたかいけれど、

天気は曇りで、予報では15時すぎから小雨のマーク。

山仲間のアキさんと、丹三郎の北尾根から、

御嶽神社奥の院/1077mへの初詣を目指して、

9時ころ登山道入口/277mへ入る。

イノシシ除けの頑丈なフェンスの向うへ。

すぎひのきの人工林は、整然としつつ、とても暗い。

人影もなく、すこし心細いけれど、

なだらかで歩きやすい山道だ。

だんだん身体があたたまり、一枚また一枚と上着を脱ぐ。

35分ほど登ると、飯盛杉というご神木にあう。

樹齢百数十年の杉2本と、さわら1本からなる、

奥多摩町・丹三郎地区のシンボル・ツリー。

古来、婚礼のときにご飯をお供えして祝ったという、

現在の木は2代目で、樹齢数百年だった先代は

落雷で焼けてしまったそう。ご挨拶して先へ進むと、

すぐに尾根道へでて、片側の明るい雑木林にほっとする。

適当なところで小休止、おむすびを一つ食べる。

さらに30分ほど登ると中ノ棒山846mの、

ピークとわからないほどささやかなピークを過ぎ、

そこから20分ほど登ると大塚山920mに。10:25。

御岳山/929mまでもう一息だけれど、予報より早く雨が降りだした。

レインジャケットと傘をひらいて、御師の町へ少し下り、

ビジターセンターで様子を訪ねる。

まだ積雪はないけれど、奥の院までは急登もあり、

雨で岩場が滑りやすいこと、

また12/27にそのすこし先でクマが目撃されたので、

今日はロックガーデンを周遊されてはどうかとのこと。

鈴はもっているけれど熊はこわいし、雨は降っているし。

ということで予定を変更し、沢沿いの遊歩道と、

綾広と七代のふたつの滝を楽しむことにする。

ロックガーデン/岩石園は、1935/S10年に当時の東京府が、

緑地計画にもとずいて整備した約1kmの遊歩道で、

渓流と露岩を楽しめる「東京の奥入瀬」ということ。

たまたまアキさんのお母様が青森の方で、

私も高校の修学旅行で訪れたことなどを話しながら、

静かな雨の水辺もとてもいい。

石庭の清澄庭園のような石渡りがとくに楽しい。

ビジターセンターまでは誰にも会わなかったけれど、

御岳山にはそれなりに人もいて、

行き交う方々のなかには、奥の大岳山まで行く人も、

早々に行って戻ってきた人もいて、無事を祈り合う。

とくに、天狗岩と七代の滝は、見応えがあった。

天狗岩は、鎖でよじ登る巨石で、左右に天狗の像が2体。

異様にうねる木の根が張り巡らされていて呪術的だ。

そこから急な鉄のはしごを3つ4つ降りてゆくと、

七代の滝へでて、滝つぼのすぐそばまで寄れる。

10mくらいのきれいな滝と思っていたら、

後日、全長50mの大小8段の滝だと知って、

どこがどうなっていたのだろうと謎々のよう。

そこからの復路は、180m30分の急登で、

昼下がりの時間になかなか登り甲斐があった。

帰りは14:45発のケーブルカーとバスで御嶽駅へ、

ちょうど15:36のホリデー快速に乗れてスムーズに帰宅。17:30。

 

小雨の降り続くなか、寒くなったり暑くなったりしながら、

自然につつまれた初登山だった。

この日は武蔵御嶽神社へは寄らなかったけれど、

また機会をつくって奥の院へ行きたい。

そのときは、どうぞお天気に恵まれますように。

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