佐賀町日記

林ひとみ

雑記

しずかな朝 両国

4月7日に日本全国へ発令された COVID-19の緊急事態宣言は、 地域別の段階的な解除を経て、 5月25日に完全解除となった。 およそ48日間、7週間にわたり わたしたちは自主的な外出自粛生活を過ごした。 同じようにパンデミックを経験している 他国とくらべてよ…

詩集「藍の月」プレゼント

今春、流行したCOVID-19は 日本ではだいぶ落ちついてきた。 緊急事態宣言も段階的に解除されて、 都内のお店もぽつぽつ開きはじめ、 街には人が戻りつつある。 みな平然とした顔をしているけれど、 どこか恐る恐るという気持ちはマスクでは隠せない。 目にみ…

マスクとマネー

東京も引きつづきの緊急事態。 慣れてきたのかどうか、 そろそろ日にちや曜日、 かつての日常の感覚も薄れてきた。 それがよいことなのか、 よいことではないのかは、わからない。 いつ頃からだろう、 毎朝10時に江東区の防災無線から 「新型コロナウィルス…

かぜなおる

4月8日頃にひきはじめた風邪は、 大事にいたることなく治癒した。 症状は、 喉の痛みと怠さと寒気のみで、 違和感がなくなるまでちょうど2週間。 友人とふたり暮しなので幸い、 家から一歩も外へ出ずに過ごすことができた。 眠っても眠ってもまだ眠く、 睡眠…

かぜをひく

STAY HOME の号令のもと、 外出がままならない日々が続いている。 家の近くの隅田川沿いのテラスは、 歩く人、走る人、犬の散歩、などの人々で びっくりするほど賑わっている。 暗い顔をしている人はあまりいない。 ウィルスのことは一時忘れて、 みんな平和…

花まつり

今日はお釈迦様の誕生日。 地球にひとつの光がうまれた おめでたい日。 昨夜、空に満月が輝く頃、 私たちの首相は緊急事態宣言を発令した。 関東・関西・九州のそれぞれ一部、 東京・埼玉・千葉・神奈川・ 大阪・岐阜・福岡は、 未だ経験したことのない、 未…

春のゆき

今日、また春の雪が降っている。 東京は今週末、 桜の見頃をむかえているけれど、 COVID-19の影響で、大きな公園は封鎖、 立ち入り禁止になっているそう。 今日の雪は 天からの外出自粛要請のよう。 本当に、ふしぎな春です。 sagacho-nikki.hatenablog.com

ふしぎな春

今年の春は 家のベランダの桜が咲かない。 どうしたことか蕾がひとつもつかなかった。 ふつうなら花のあとに芽をだす若葉も、 出ずに出られず、ほとんど冬木のままの出で立ちで、 例年の3倍ちかく花咲いた昨年が夢のよう。 唯一、根元から20㎝ほど伸びている…

詩 レクイエム

きのう 春の雪が降った 天から地への ホワイトデー アレクサンドル・ソクーロフの ドキュメンタリー モーツァルトの レクイエムを観た 黒マントにすっぽり 身をつつんだ聖歌隊 楽譜を捧げ 舞台のうえを彷徨する 信徒は歌う 止まる 座る 集まる 散る 死神は近…

春いちばん 2020

昨日2月22日は 風のとても強い一日だった。 ベランダの鉢植えの植物のうち ネズミモチなどの葉のついた常緑樹は ゴトンという鈍い音とともに倒れてしまった。 風の収まったかにみえた夕方に 一度起こしてみたが、またしばらくして倒れていた。 桜や欅などの…

2月尽

今日は2020年/令和2年2月22日。 なんだかルーレットにでも当たって おめでたいようなうれしいような日だ。 すっかり春めいてきたこの頃。 気温も湿度もおだやかにあがって、 コートやマフラーの内で汗ばむ日もある。 梅の花もあちこちで咲いている。 ときお…

立春 2020

今日は立春、 こよみのうえでは春になりました。 今季の冬はそうじて暖かかった。 ちいさな雪も降ったし、 きゅうぅと凍えるように寒い日も 数日はあったが、連日とはならず、 まだこれからあるかもしれないけれど、 ずいぶんと過ごしやすい冬だった。 空気…

みぞれ

夜半より降りだした雨 冷たい雨が雪になりました しばらくするとまた雨となり ふたたび雪にかわります 鳥たち スズメとヒヨドリたちが いつもより頻繁に パンを食べにやってきます ベランダにつぎつぎと 枯枝に葉がついたように 鈴なりにとまり よく歌います…

お正月 2020

あけましておめでとうございます うす水色の空に 羽二重のような初日がひろがり わた雲は思い思いに くつろいでいます 静かで華やかな とくべつな朝 いつになく ひとの心も 湧泉のように 澄んでいます 尽きることのない その希は かぎりなく清らかです 高ら…

もみぢ なわしろぐみの花

11月8日の立冬をまたぎ、 暦のうえでは過ぎ去ってしまった秋だけれど、 東京はちょうど紅葉の見頃を迎えている。 ここ数日の風雨でいくぶん散ってしまったが、 気温もぐっと下がり、色が深まり、 赤や橙や黄が透き通るように鮮やかだ。 陽光をうけたもえるよ…

かぼす 2019

9月の終わりに 大分からかぼすが届いた。 今年のかぼすは いつになく大きさも色も整っていて、とてもきれいだ。 包丁で割ってみると、 みずみずしい果汁がたちまちあふれだす。 口にふくむと、舌を伝って、 顎の付け根から耳の穴に向かって、 酸味が走り抜…

携帯電話を替える

9月は太陽の傾きをよく感じる月だ。 夏に空高くを描いた太陽の通り道は、 いつの頃からか徐々に高度を下げて、 気づけば斜めに、窓から暮らしの中へと差しこんでくる。 天頂から燦燦と降り注ぐ夏の光線とはまた別の、 透明度の高いまぶしさが印象的な季節だ…

夏の札幌-後編 鈴木康広展

昼前から雨が降り出した札幌。 霧のようなものかかって薄暗い。 ホテルで傘をお借りして、 路面電車で図書館へ向かう。 館内は広々としてゆとりがあるので、 本もゆったりと棚に収まっているようにみえる。 本の背に目を泳がせる楽しさや、 その陳列からの予…

夏の札幌-前編 植物園

お盆にやってきた台風の後を追うように 北海道の札幌へ行き、数日滞在した。 東京の蒸し暑さから一転、 からっとした過ごしやすい空気に、ほっと一息。 朝晩や雨の日は肌寒いくらいで、 長袖をはおったりぬいだり。 よく晴れて気温が高い日も、 汗ばむことは…

梅雨曇りの7月

2019年の7月は 梅雨らしいお天気が長く続いた。 日照時間もずいぶん少ないという。 盛夏のぎらぎらとした日照りを思えば、 湿度が高く蒸々していたとはいえ、 ずいぶんと過ごしやすい7月だった。 ちょうど10年前の2009年も、 概して涼しい夏だったこと思い出…

からすの子ども 梅雨に入る

先日はじめて からすの子どもに出会った。 ちょとした買い物に 江東区は門前仲町の商店街へ向かう道すがら、 歩道のうえを黒いものが ぴょんぴょんと跳ねていた。 うさぎほどの大きさの2本足の鳥が、 よちよち前進したり佇んだりしている。 傍らの街路樹には…

パソコンを買い替える、川崎の事件

5月の中旬にパソコンを新調した。 先代とは2011年10月から、 およそ7年半の付き合いだった。 その間にWindowsは7から10になった。 パソコンの寿命はよくて5年程ともきくので、 よくがんばってくれたという労いの気持ちでいっぱいだ。 さすがに最晩年は、 起…

令和 元年

明日5月1日より元号が 平成から令和になる。 今回2019年の改元は、 元号が一世一元に定められた明治から 大正・昭和・平成への代替わりとは異なり、 天皇陛下の生前退位に伴うものだ。そのため、 巷では令和の印のはいった煎餅や饅頭を見かけるなど、 時代の…

大分へゆく

4月の上旬、 九州の大分へ旅をした。 大分市の中心街に1泊、 そこから電車で1時間ほどの湯布院に1泊の、 小さな旅だ。 羽田から大分空港への約90分の空の旅は、 まるで絵巻物をみているようだ。 広い関東平野を後に、シンボリックな富士山を見つつ、 静岡や…

さくら日和

東京は今週末、桜の見ごろを迎えている。 また寒さが戻ってきたので、 花も長持ちして、しばらく楽しめそうだ。 3月の上旬はずいぶん春めいた日がつづき、 家のベランダの啓翁桜/けいおうざくらは いつになく早々と咲きはじめた。けれども、 そろそろ満開の…

さくら 2019

ベランダの鉢植えの 啓翁桜/けいおうざくらの花がふたつ咲いた。 昨夜からぱらぱらと降り始めた雨は、 朝方にはしっかりした雨足になり、 今朝もしずしずと街に降りつづいている。 春の雨はなんだか音がないように静かだ。 ここのところ、晴れたり降ったり…

パンつくり

日に日に春めきつつある如月も後半、 空気の乾燥もずいぶんやわらいで、 夜半に空高くのぼった月は、この時期ならではに、 ぼんやりと霞がかった光が幻想的だった。 そんな或る日、お店で酒粕をみつけて、 思い出したようにひさしぶりに 酒種酵母のパンをつ…

ゆきがふる

今日は東京に雪が降っている。 朝方から粉雪が降りはじめ、しばしの休止をはさみつつ、 ぱらぱらと、ときおり本格的に舞ったりと、 表情をころころ変えながら、空はいつになく、 ライトグレーの分厚い雪雲に覆われている。 今季の東京の初雪は、 気象庁の発…

皇居参観

成人の祝日のあたりに、 はじめて皇居の一般参観に参加した。 その日は寒くお天気も不安定だったけれど、 午前と午後に一回ずつ設けられている一般参観の、 参加した午後の回には、おそらく300人近くが集まっていた。 東京駅の西方、皇居の東側の桔梗門付近…

音楽の冬期講習会

クリスマスの時期に4日間、 音楽学校の冬期講習会を受講した。 講義は連日9~12時の3時間に行われ、 大学受験をひかえる高校生たちをメインに、 数人の社会人がまじった25名前後で、 ソルフェージュと楽典を勉強した。 声楽を勉強していくなかで 必要を感じ…