佐賀町日記

林ひとみ

もみぢ なわしろぐみの花 2020

11月のはじめはオリンピックのような

4年に一度のアメリカ大統領選挙

ざわざわしていたけれど、

7日の立冬をこえて、

暦を追うように秋も深まってきた。

 

ベランダのなわしろぐみの花は、

昨年よりひと月ほど早く、10月に入ると咲きはじめた。

小さな無数のクリーム色の花が次々と、

数えきれないほどついている。

どこでどうして知るのか、

朝にはみつ蜂が、夕には蛾が群がっている。

なわしろぐみの蜂蜜はどんな味がするのだろう。

月末にはそろそろ花も終わるかなと思えたが、

どうしたことか11月になるとまた、

第二群がおもむろに咲きはじめた。

小春日和によろこんでいるのだろうか。

ユリのようなジャスミンのような

エキゾチックな香りがうれしい。

 

鉢植えの啓翁桜も11月になり、

日毎に紅葉を深くしている。

陽の加減で、ほんとうにきれいな瞬間がある。

生きている、ということを想う。

今年の春はどうしたことか花をひとつもつけなかったけれど、

紅葉している葉の脇に、次の春の蕾がちゃんとついている。

よかった。来年の春はまた花に逢えそうだ。

 

今年の秋、いちばんうれしかったニュースは、

核兵器禁止条約」の批准国が50か国に達し、

来年1月22日の発効を待つばかりになったことだ。

人類の、ほんとうに大きな一歩だと思う。

ヒロシマナガサキの歴史をもつ日本の政府が

率先して批准しないのは不思議で仕方ないけれど、

なまじ経済大国と先進国であることを経験してしまったので、

矛盾を体現しているともいえる。

そしてフクシマも。

 

これからの地球は、どこかの大国が

一手にリーダーシップをとるという帝国主義の流れから、

圧倒的多数の各国がつながりあうことで、

動向や秩序を形つくっていく、という流れになりそうだ。

解決する必要のある課題は残るとしても、

核兵器禁止条約」はまさに、

そうした流れを象徴している、画期的な出来事と思われた。

 

冬に入りウイルスのことは気になるけれど、

なるべくうれしいことやたのしいことを考えて、

あたたかく過ごそうと思うのです。

 

 

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