佐賀町日記

林ひとみ

小正月 2021

今日1月15日は小正月

旧暦/太陰暦で暮らしていたころの、

年が明けて最初の望月の日にあたる。

小豆粥は食べなかったけれど、

満月のようにまんまるいどらやきを食べた。

新しい年もまた元気に過ごせますように。

 

今年のお正月はほんとうに天気がよかった。

明るくて、おだやかで、透きとおって、

世界がきらきらしていた。

静かだったけれど、つめたさではなく、やさしさを感じた。

身近にまだウイルスに感染したという話を聞かないので、

都市のオーバーシュートがなんだか嘘のよう。

 

ちょうど去年の今頃、

1月14日にWHOが新型のコロナウイルスを認定して、

日本国内で第一感染者が確認されたのは、

まさに小正月の15日だった。

その後、未知のウイルスがこれほど世界中で流行し、

1年間で9300万/うち国内30万人が感染し、

200万/うち国内4300人もの命を奪うことになるとは、

まだ誰も知る由もなかった。

 

2021/令和3年が明けて、

東京の感染者数は日に2000人を超える日もある。

冬なので増えるだろうとは思っていたけれど、

寒さと乾燥が、こんなに影響するのだとは。

500人、1000人、2000人、と、

いまいち感覚がわからなくなってきた。

都市部に限定されているようにみえたものの、

全国的にじわじわと広がっているという。 

けれども私たちはいささか慣れてしまったので、

7日から首都圏に再発令された緊急事態宣言に、

前回ほどのインパクトを感じられなくなってしまった。

どうしたらよいのだろう。

 

たとえば病気になったり、

アクシデントが起こったとき、

通常なら助かるようなことが、

感染症によって医療体制が逼迫し、

患者や救急車をうけいれられる病院がみつからず、

みてもらうことも叶わずに亡くなったり、

重症化したりしたりしたら、とても辛い。

そういうのを医療崩壊というのだろうか。

そうならないように、

そういうことに加担しないように、

自分の体調管理により責任を感じている。

 

そして明るい話題のことを考える。

来る1月22日に、

待ちに待った核兵器禁止条約が発効される。

まだ実効力があるとはいえない条約だけれど、

大きな大きな第一歩。

小さな力だとがっかりしないこと。

未来を疑わないこと。

 

地球で起っていることをまだなにも知らない子ども、

でもすべてをよくわかっている賢い子どものように、

あっけらかんと、無邪気に、

前を向いて歩いていきたい。

あるいはそういうふりでもいいと思う。

 

そうやって生きている人がいっぱいいると思う。

だから世界がきらきらと輝いているのだと思う。