佐賀町日記

林ひとみ

棒ノ峰

9月に入ってすぐ、

奥多摩と飯能の境にある

棒ノ峰または棒ノ折山/969mへ登った。

 

池袋から西武線で約1時間、

埼玉の飯能駅で山仲間のアキさんと合流、

7:16発のバスに乗る。

3ヶ月ぶりの再会をよろこび合う。

7月は猛暑日37℃の予報で見送り、

8月は私の風邪で見送ったので、

久しぶりの山登り。

残暑を気にしつつ、

朝からの曇り空にほっとする。

バスも登山人でいっぱいだ。

 

揺られること45分、

さわらびの湯のバス停で下車。

念入りにストレッチをして、

6月の生藤山で痛くなったひざに

念のためのサポーターをまく。

車道をゆくこと15分、色々な秋の虫の声、

つくつくぼうしも聴こえてくる。

ツーリングバイクがたくさん並んでいる

有間ダムの対岸へ渡り、

登山道に入ったのは8:30だった。

 

久しぶりの山道がうれしい。

樹々につつまれた沢沿いはいくぶん涼しい。

ゆっくりのペースで30分くらい登ってゆくと、

見所の岩場にでる。

よじ登ったり、沢渡りしたり、鎖場も、

アスレチックのようで、なんて楽しい。

いつのまにかたくさん汗をかいて、

リュックまでびっしょり。

小型犬を2匹連れている人や、

ご夫婦、お友達、10人くらいの団体の方々などと、

そこここですれ違う、賑やかな道行。

2時間ほどで、10:30頃に山頂に着き、

早めのお昼ごはん。

夏場のおむすびはいたみやすいかなと思い、

シナモンロールとかマーブルパンとか、

軽くて食べやすいパンをほおばる。

薊の花に、黄色の蝶がとまっている。

黒い筋模様のなかに、

青や赤の斑のある、大きな蝶。

とんぼもたくさん。

栗の樹には青いイガがたわわ。

山頂は温度計で27℃くらい、

それでも汗冷えで寒くなってくる。

11:10頃下りはじめて、

下りが得意でない私は、

足の負担を考えてはじめてストックを使った。

2本足が4つ足になり、ずいぶん楽。

途中、岩茸石という10mくらいの巨石に、

少年が登っていたので、真似して登る。

どきどき、とても楽しい。

帰りは、周回のコースをとり、

なだらかな山道をゆっくりと、

沢沿いのコースとはがらりと変わって

ほとんど人気がなく、鈴を鳴らして歩いた。

13:10頃には下山、

9km/4.6h、高低差750m、という行程だった。

水分はお茶やポカリスエットなど、

いつのまにか2リットルも飲んでいた。

 

帰りのバスを待つ間、

さわらびの湯あがりの男性がひとり、

西武秩父線のほうから、

正丸峠を越えてきたと話してくれた。

「お湯に入っていかないの?」と聞かれたので、

「温泉に入ったら帰れなくなりそうで」と応えた。

13:34のバスに乗って、うつらうつら、

江東区の家に着いたのは15:30頃。

3:30に起きたので、ちょうど半日のトリップ。

 

すぐにシャワーを浴びて、ストレッチ。

サポーターとストックのおかげで、

ひざも痛くならず、まだ元気。

すいかを食べて、歌を唄う。

山に行くと、体の感じが変わるから、

とても不思議。