佐賀町日記

林ひとみ

生藤山

6月に入ってすぐ、

東京と神奈川の県境にまたがる

生藤山/しょうとうさん990mへ登った。

色々なコースがとれるなかで、

今回は檜原村の北斜面のコースを選んだ。

 

メトロの始発にのり、

中野駅でJRに乗りかえて西へ。

休日のこの時間帯、

徹夜明けのアルコールのにおいと、

登山客の入り混じる車内のちぐはぐな雰囲気にも、

だいぶ慣れてきた。

武蔵五日市駅で山仲間のアキさんと合流、

登山人の長蛇の列のできた

数馬行き7:10発のバスでさらに西へ45分、

上川乗/かみかわのりバス停で下車、

お手洗いとストレッチをすませて、

登山道入り口を目指す。

うぐいすの鳴声がほんとうに見事、

燕の群れが嬉々として旋回している。

ところが行けども行けども登山口につかない。

勾配のある車道を30分ちかく進んだところで、

不安になって引きかえしてみると、

作業用の軽トラックに目をとられて、

見おとしていたらしい入口がみつかった。

気をとりなおして山道へ、8:50。

赤土は前夜の雨で湿っている。

熊に逢わないように鈴を鳴らす。

道迷いのおかげで体があたたまり、

足どりは軽く、呼吸も深い。

しばらく行くと艶やかな赤土色の蛇と出遭う。

性格はおとなしそうで、後で調べてみると、

ジムグリという蛇の成体のようだった。

日本の固有種で、山の守り神みたいな雰囲気。

60分ほど登ると浅間峠の分岐にでて、

大きな夫婦杉とささやかな祠にご挨拶、

歩きやすい尾根道を60分ほど、

栗坂ノ丸879mを過ぎて熊倉山966mに着く。

終りかけの山つつじがきれい。

黒紫色の大きな蝶が舞っている。

さらに軍茶利山970mと三国山960mを過ぎて、

短いけれど急な岩場を楽しくよじ登り、

生藤山に着いたのはちょうどお昼頃だった。

ずいぶん早いようだけれど、

ひぐらしみたいな蟬が鳴いている。

おむすびをほおばる。

帽子に大きなトンボがくっついている方がいらして、

びっくりして話しかけると、虫よけだという。

きけば青梅在住、多摩100山を半分くらい登っていて、

同時に日本100名山にもチャレンジされているらしく、

いろいろな山の話をきいて楽しい。

お先に!といって「ブラックサンダー」という

チョコレート菓子をいただいて、

山で食べるととても美味しい。

標高があり冷えてきたので、

ウインドブレーカーを羽織って先へ進む。

すこし行くとコースのピークの茅丸1019mに着く。

いちめんの緑に、白やピンクの花が見わたせて、

平和そのものの雰囲気に、歓びがこみあがる。

ここに来れてよかった。

連行峰の分岐を柏木野バス停の方面へ折れ、

ひたすらなだらかな下りを2時間。

山頂で冷えを感じて以来、

違和感のあった左の膝と脚の、

痛みが徐々に強くなってくる。

ペースを落として、大事大事に下り、

なんとかバス停に辿りついてよかった、14:50。

11km/6時間のコースは、

この日の私には負担が大きかったようだ。

水天宮前駅に戻ったのは17:40頃、

階段を下るのがこんなに辛いのは初めて。

念入りにストレッチをしたけれど、

ふくらはぎの筋肉痛はおよそ3日間つづき、

膝は1週間経てもまだ不安定。

 

山用品のお店の方に相談してみると、

膝サポーターとストックを利用すると、

ずいぶん違いますよと教えてもらった。

さっそく整体師のいとこに聞いて、

ZAMSTのサポーターを購入。これからも元気に、

あちこち冒険や探検を楽しめますように。

 

お土産にした

檜野原村の舞茸とスナップエンドウ

バターソテーとサラダにして食べて、

とっても美味しかった。

ありがとう。