佐賀町日記

林ひとみ

詩 パペット

ぼくは

ぼくでしかない

 

でもそれは

ぼくのせいではない

 

もし

神さまがいるのなら

 

きいてみたい

 

土に息を

ふきかけて

 

ぼくを

おつくりになった

そのわけを

 

ぼくは

どうして

ぼくなのか

 

ぼくは

どうして

きみではないの

 

地球では

すぐにみつかるよ

 

美しさよりも

哀しみが

 

喜びよりも

怖れが

 

幸せよりも

惨めさが

 

でもすぐに

自由もみつかる

 

パンスペルミアの劇場で

ぼくはぼくの

 

方舟のような

歌をうたう

 

星とか

愛とか

未来とか

 

みえないものを

みえるようにする

 

ろうそくのような

踊りをおどる

 

大きすぎて

小さくみえたり

 

賢すぎて

愚かにみえたりする

 

人のかたちを

 

やさしすぎて

きびしくみえる

 

神さまのかたちも