佐賀町日記

林ひとみ

大晦日 2020

今日の太陽の光は

ほんとうにきれいに透きとおっている。

朝、目が覚めて、

世界がきらきらと光っているようだった。

 

太陽は今日が

晦日だということを知っているのだろうか。

今年はまれにみる不思議な年だったけれど、

よく一年間がんばりましたね、

また来年もその調子で、と、

祝福されているような気がしたのだった。

わたしにとってこの一年は、

自分自身にも他人にも、世の中に対しても、

疑いをもたないことを学んだような気がする。

それは音でいうと、雑音やノイズをスルーして、

音の本質とつながるような感覚だった。

 

サンタクロースがやってくるクリスマス・イブ、

12月24日に江東区防災無線が放送された。

 「こちらは江東区役所です。

  新型コロナウイルスの感染が拡大している年末年始は

  密集をさけ、感染を防ぎましょう。」

12月に入りじわじわと、東京都では

日に700、800、900人台の感染が確認されるようになった。

そしていつの頃からか無線放送も

15:30と17:00に放送されるようになった。

日本での致死率はそれほどでもないといわれるが、

感染率のより高い変異ウイルスが出始めたことや、

医療の現場がひっ迫しているということで、

病院で働く方や色々な治療している方々を守らなければ、

という気持ちでいっぱいだ。

 

この様子だと初詣はむつかしそうなので、

数日前に近所の水天宮へご挨拶をしてきた。

朝9時すぎは、人もまばらで、

ゆっくりお詣りすることができた。

鈴は鳴らせなかったけれど、

空の水色も太陽の光もやさしかった。

 

年が明けて、しばらくしたらまた行こう。

2021年がよい年でありますように。