佐賀町日記

林ひとみ

詩 うみとそら

ひろいうみをみると

あおいそらを思い出す

 

ふねは

うみの鳥

 

世界をつなぐ

うみを飛ぶ

 

光の届かない

海底では

宇宙の音がきこえる

 

ひこうきは

そらの魚

 

世界をむすぶ

そらを泳ぐ

 

はるか

彼方には

漆黒の宇宙がひろがる

 

いつしか人は

言葉を発明し

 

天と地を

分けてしまったけれど

 

どこが天で

どこが地だったか

 

コペルニクス博士が

発見するまで

 

太陽は地球のまわりを

周っていたし

 

ニュートン博士が

発見するまで

 

重力はなかったから

りんごは

落ちるに限らなかった

 

そしていつ

だれが発見するだろう

 

わたしたちが

AIではないと信じ込んでいる

AIかもしれないと

 

そのうち人が

どこかの星に棲むようになっても

 

きっと

 

ひろいそらをみると

あおいうみを思い出す

 

 

 

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