もくもく
まっしろ
そらにうかぶ
くものような
たいざんぼくの
おおきな花
まるで
樹上の蓮の花
きよらかに
たいぜんと
梅雨のすこし前に
咲きはじめる
傍らには
しろつめ草
くちなし
白あじさい
みな
純白のしあわせに染まる
6月の花嫁のよう
露にぬれて
時がとまったような
瞬間を愛しんでいる
わたしたちは
時計やカレンダーが
なかったら
なにをどうしていいか
たちまち
わからなくなるけれど
あなたたちは
うらやましいほど
ぴたりと
惑星とともに
鼓動している
気がかわったり
まちがえたりは
きっとしない
だから
いつもきまって
梅雨のすこし前に
咲きはじめる
たいざんぼくの
おおきな花
ぼってり
ふっくら
まっしろい
ほうら
しあわせの
香りがする