佐賀町日記

林ひとみ

さくら 2019

ベランダの鉢植えの

啓翁桜/けいおうざくらの花がふたつ咲いた。

 

昨夜からぱらぱらと降り始めた雨は、

朝方にはしっかりした雨足になり、

今朝もしずしずと街に降りつづいている。

春の雨はなんだか音がないように静かだ。

ここのところ、晴れたり降ったり、

降ったり晴れたり、と目まぐるしいお天気だけれど、

大気は日に日に春の暖かさにほどけてゆくよう。

 

そんななかベランダの桜の花は、

例年なら大方揃って咲きはじめるところを、

今年は蕾たちの様子がまちまちで、

それぞれ咲きたいときに咲きましょうといったふうに、

一足先に2輪が咲いた。

一卵性の双子のような通じ合い方で、

ふたりして春が待ちきれなかったのかもしれない。

昨夏の猛暑でかなりダメージをうけたにもかかわらず、

淡いうすピンク色の花は、何事もなかったかのように、

しずかに喜びを表現している。

 

74年前の昨日は東京大空襲、 

8年前の今日は東日本大震災が発生した日だ。

 

そして今日、

また今年の桜の花に逢えてうれしい。

枝ものから挿し木して、ちょうど10年になる。

 

いつの間にか、雨が止み、

やわらかな陽が射しはじめた。

降ったり晴れたり、をもうしばらく、

春の訪れと桜とともに楽しみたい。

 

  

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