ベランダの鉢植えの
啓翁桜/けいおうざくらの花がふたつ咲いた。
昨夜からぱらぱらと降り始めた雨は、
朝方にはしっかりした雨足になり、
今朝もしずしずと街に降りつづいている。
春の雨はなんだか音がないように静かだ。
ここのところ、晴れたり降ったり、
降ったり晴れたり、と目まぐるしいお天気だけれど、
大気は日に日に春の暖かさにほどけてゆくよう。
そんななかベランダの桜の花は、
例年なら大方揃って咲きはじめるところを、
今年は蕾たちの様子がまちまちで、
それぞれ咲きたいときに咲きましょうといったふうに、
一足先に2輪が咲いた。
一卵性の双子のような通じ合い方で、
ふたりして春が待ちきれなかったのかもしれない。
昨夏の猛暑でかなりダメージをうけたにもかかわらず、
淡いうすピンク色の花は、何事もなかったかのように、
しずかに喜びを表現している。
74年前の昨日は東京大空襲、
8年前の今日は東日本大震災が発生した日だ。
そして今日、
また今年の桜の花に逢えてうれしい。
枝ものから挿し木して、ちょうど10年になる。
いつの間にか、雨が止み、
やわらかな陽が射しはじめた。
降ったり晴れたり、をもうしばらく、
春の訪れと桜とともに楽しみたい。