詩 藍の月

昼と夜の

淡いはざま

 

夕暮れどきの

ゆらめく空に

 

おとぎ話のような

三日月が

 

ぼうっと

うかんでいた

 

やわらかな

藍と桜色とに

 

彩られた世界は

めくるめく

 

甘美なシンフォニーを

総奏しているかのようだった

 

青と赤の

優美なドレスを纏った

  

イソヒヨドリ

飛んできて

 

類い稀なる

ソリストのごとく

 

天上的な歌を

奏ではじめた

 

チュルリラル

 

自然界は

言葉や音楽に

 

満ちあふれて

いっぱいです

 

言葉の

完全さと

不完全さとを

 

音楽の

自由さと

不自由さとを

 

ひとつにして

 

きみたちも

きみたちなりに

 

高貴な歌を

唄いなさいな

 

チュチュリルラ

 

湿気をふくんだ

三月の

 

霞がかった

大気につつまれて

 

藍の夕闇のなかに

 

ぼぅっと

朧む三日月は

 

よろこびと

かなしみの

 

涙をたたえて

微笑する

 

永遠なる

父母のように

みえたのだった