純粋で美しい者は、
そもそも人間の敵なのだということを忘れてはいけない。
美は、ただそれだけで、醜いこの世への侮蔑です。
美は誰にも愛せぬものです。
/「天井桟敷の人々」脚本・ジャック・プレヴェール 訳・山田宏一
人は美を求めやうと心掛けて
その中から各自の偏見を引出してゐる。
美なんて非常にすぐそばにあるもので、
人間はそういうものに対して非常に自然な態度がとれるものなんですよ。
生活の伴侶ですから。
美しいものは易しそうな様子をしている。
公衆が軽蔑するのはこれだ。
「美」というものはたった一つしかなく、
いつでも新しくいつでも古いのです。
その「つねなるもの」は、しかく大きくも小さくもなります。
子供の描いた絵と、立派な芸術家の仕事では、
美しさにおいて変りはなくとも、大きさにおいて違います。
人間の美しさも、無智な者と智慧にあふれた美しさと、
何れが上というわけではありませんが、違います。
/「たしなみについて」著・白洲正子
美ってものは、見方次第なんだよ。
/「愛する言葉」より岡本太郎