梅雨どきの楽しみに、
旬をむかえた梅を梅酒用に仕込んだ。
バラ科サクラ属である梅の実の香りは、
同じバラ科でモモ属にあたる桃の香りと、
同じくバラ科でリンゴ属にあたるりんごの香りを併せたような
奥行きのある芳香で、触れていると気持ちよい。
梅の実は、薬にも用いられるほどの効能をもつ反面、
未熟な青梅には青酸が含まれており生食は危険だという。
薬と毒という両義性をもつ、
魅惑のあるいは禁断の果実ともいえるだろう。
みりん屋さんに教わった梅酒の作り方は、
青梅をかるく洗浄し、へたを取りのぞき、
本みりんに漬けおくというもので、
クリスマス頃にはおいしい梅酒ができあがるという。
そのシンプルな材料と作り方に魅かれて、
奈良の青梅1kg/70個を、1Lの本みりんに漬け込んだ。
冷暗所で半年の間、健やかに熟成されますように。
できあがりが楽しみだ。