佐賀町日記

林ひとみ

朝のジュース

毎朝、

お野菜と果物のミックスジュースを飲む習慣が、

ここ2年半ほど続いている。

 

見よう見まねでつくりはじめたが、

定番になっている食材は、

小松菜・セロリ・レタス・人参・りんご・みかん。

時期や在庫によって、

りんごが梨や柿に、みかんがレモンやかぼすに、

小松菜がほうれん草やちんげん菜などに、入れ替わる。

 

今ではすっかり、

朝起きると自然と身体が欲するようになっているが、

そんな或る日のこと、いつもどおりに材料をセットし、

スイッチをいれたが、はて、ブレンダーが動かない。

突然うんともすんともいわなくなってしまったのだ。

寿命というのは、このように尽きるものなのだろうか。

 

メーカーに問い合わせてみると、

修理するには時間もお金も中々かかるという。

気に入って使用していたので、

同じものを同じ店舗に探しに行ったが、

製造が切り替わり、入手は不可能であった。

世の移り変わりは、

見方によっては乱暴なものだと感じ入りつつ、

ごくシンプルな、初対面の2代目を新調した。

まだお互いに様子を見合っている具合だが、

ひとまずは平安がもどり、ほっとしている。

 

 

朝のジュースを飲むようになってから、

かねてより貧血気味ということで

要経過観察とされつづけた健康診断に、

ほとんど問題がなくなったことも、

習慣への愛着につながっている。

植物たちは、私たちに力を与え、

いのちといのちが合わさり、その一部となることを、

喜んでくれていると感じることがあるのだが、

どうだろう。