佐賀町日記

林ひとみ

モナ・ハトゥムの地図

3月にはいって、雨の日が多い。 うす灰色の雲におおわれた横長の世界は、 いつもより天と地が近づいたよう。 そんなパノラマな雨の日に、 瀬戸内の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館へ、 モナ・ハトゥムの「地図」をみに行った。 新幹線の「のぞみ」で岡山に入り、…

うるふ月 新宿御苑

今日は2月29日。 4年にいち度の閏日だ。 この日にうまれた知人は、 4年に1歳しか年をとらない、 といっていた。オリンピックみたい。 たとえば同級生が還暦を迎えても まだ15歳なのかな。いいのかな。 梅と水仙の見頃の新宿御苑で、 幼稚園から小学校と中学…

F・D・フローレスのリサイタル

1月の終わり、 春の兆しにみちた暖かい夜に、 上野の文化会館で、 ペルー出身のテノール歌手、 ファン・ディエゴ・フローレスの リサイタルを聴いた。 今回はプログラムの予告にモーツァルトのオペラから ティートの2つのアリアが組まれていて、 この人のモ…

日本銀行本館の見学

新年の松の内が明けて、 小正月も過ぎた頃の寒朝、 日本橋にある日本銀行本館の 見学会へ参加した。 およそ20年ごとに 新しいデザインに切り替わるお札は、 今年7月3日から発行されることに。 現在の福沢諭吉・樋口一葉・野口英世から 新しく渋沢栄一・津田…

2024年はじまり

あけましておめでとうございます。 令和6年、甲辰/きのえたつの2024年は、 数え方を変えると、 皇紀2684年、昭和は99年、平成は36年、 なのだそう。 思えば、キリスト教徒でないのに、 イエスの誕生を基点とする西暦を、 普段使いしているのだから不思議。 …

あとの夢

今年もあと僅か。 毎年のことながら、 年の瀬になると いつも感慨深い。 一年間よくがんばりました。 今年も いちねん おわります 365日 ときどき 366日 もしかして 8760じかん 3153万6000びょうの 夢ならどうしよう まばたきと まばたきに むすばれた 穏や…

師走の和太鼓

あたたかい12月。 二十四節気の大雪にあたる日に、 門前仲町の富岡区民館に、 江東区長選のための、期日前投票に行った。 今年の4月に行われた選挙で、 はじめての女性区長が誕生して、 明るい雰囲気になったと思ったのも束の間、 公職選挙法の違反があった…

TEZUKA 2023 ブラック・ジャック

手塚治虫の名作「ブラック・ジャック」の新作が、 連載50周年の特別記念企画として、 週刊少年チャンピオンの11月23日発売号に発表された。 読み切り32頁の「機械の心臓 Heartbeat Mark Ⅱ」は、 天国にいる漫画の神さまのかわりに、 AI と人とのコラボレーシ…

直島と月島で

瀬戸内は香川県の直島で、 2006年の秋と、2007年の春に、 島全体を展覧会会場として開催された 企画展「直島スタンダード2」。 その時に一緒にスタッフとして参加した友人と、 東京の月島で束の間の再会をした。 毎年、年賀状のやりとりをしていたから、 ご…

上高岩山 高岩山

気もちよい秋晴の日曜日、 あきる野市の上高岩山と高岩山へ登った。 山仲間のアキさんと、 8時ころ御嶽駅で待ち合わせると、 驚くほど山の人でいっぱい。 バスもケーブルカーも1台では間に合わず、 臨時便にお世話になって、 御岳の御師町/831mまで運んでも…

詩 ひかり

夜空をみあげる みえるのは 星のひかりの しろがねの きらりきん ぢかぢかじ もしもしも いまはもう 死んだ星かも しれないけれど 夜空をみあげる みえるのは 星のひかりの むかしの噺

声楽公開レッスン2023 ふたつ

今年の夏は特別に暑かったらしい。 35℃超の猛暑日が連続○○日とかで、 毎年どんどん暑くなるから、 あまり違いがわからない。 9月になってもだいたい暑くて、 でも蟬はいつのまにか、もういない。 ベランダの植物たちもくったりしているなか、 挿し木したバラ…

棒ノ峰

9月に入ってすぐ、 奥多摩と飯能の境にある 棒ノ峰または棒ノ折山/969mへ登った。 池袋から西武線で約1時間、 埼玉の飯能駅で山仲間のアキさんと合流、 7:16発のバスに乗る。 3ヶ月ぶりの再会をよろこび合う。 7月は猛暑日37℃の予報で見送り、 8月は私の風邪…

はちがつはつねつ

8月の中旬に発熱した。 友人からもらってしまったようだ。 たぶん季節外れのインフルエンザで、 みるみるうちに高熱に。 夕方に歌の練習をしていたら、 鼻の奥にぱさぱさするような違和感を感じて、 途中で練習をきりあげた。 翌日は午前中からお腹がむかむ…

ばらの咲く

6月のはじめに 挿し木をしたばらの花が一輪、咲いた。 切り花のときとはずいぶん違う、 ワイルドローズのようなお花。 花屋さんに並んでいたときの顔は、 よそ行きだったのかしら。 鉢植えにしてふた月、 肥料をあげるでもなく、 自然に結ばれた蕾に感動する…

詩 空の金魚

ねぇ 金魚さん どうして動かないの? 死んじゃったの 死んじゃったって なあに? お空へかえったの お空? お空には天国があって そこへ行ったの 体は天国に行かないんだね また来るためにね

詩 水

水盤の まあるい水に 鳩がきた 水をのんで 帰っていった 水は 鳩と一緒に 飛んでいった のこりの水は 空をみあげて ゆれていた

詩 虹

窓をあけた 虹をみつけた 電話をかけた 君がいった いま 虹をみている

樟 薔薇 エトセトラ

昨年12月、佐賀へ旅した際に、 拾ってきた樟/くすの実。 佐嘉神社の境内の大木から、 ぽこん、ぽこん、と落ちてきた、 紫色の正露丸のような、堅い実。 それを3つ4つお土産に、 江東区佐賀町の家のベランダの鉢に入れたら、 1か月もしないうちに芽がでた。 …

生藤山

6月に入ってすぐ、 東京と神奈川の県境にまたがる 生藤山/しょうとうさん990mへ登った。 色々なコースがとれるなかで、 今回は檜原村の北斜面のコースを選んだ。 メトロの始発にのり、 中野駅でJRに乗りかえて西へ。 休日のこの時間帯、 徹夜明けのアルコー…

詩 5月

みどりの5月 ふくらむ光 森に入れば なお明るい 葉っぱはたべる 赤 と 青 緑は てとてと まわりだし 木のうえの 星は たかたか おっこちる ころがる神話の 笛の音 とてり たねり 青虫は 葉っぱの緑と みえない紫 たべている わたしもたべる 岩波文庫の 赤 青…

臼杵山

広島でG7のサミットが開催されるなか、 東京のあきる野市と檜野原村にまたがる、 臼杵山/842mへ登った。 水天宮前駅5:16の電車に乗り、 西武新宿線とJRを乗り継いで、 およそ2時間で武蔵五日市駅に着く。 山仲間のアキさんと合流し、 藤倉行のバスで約25分、…

詩 パペット

ぼくは ぼくでしかない でもそれは ぼくのせいではない もし 神さまがいるのなら きいてみたい 土に息を ふきかけて ぼくを おつくりになった そのわけを ぼくは どうして ぼくなのか ぼくは どうして きみではないの 地球では すぐにみつかるよ 美しさより…

庭園の休日 エトランゼ

4月に入ってすぐ、 7歳の甥っ子のピアノの発表会を聴きに行った。 昨年にひきつづき2度目のステージで、 1年前には抜けていた前歯も、 すっかり永久歯になり、たくましい。 春休み中に、 ひとりでおじいちゃんの家にお泊りして、 電子ピアノを持ちこんで練習…

馬頭刈山

お花見日和の日曜日、 東京の檜原村とあきる野市にまたがる 馬頭刈山/まずかりやまへ登った。 武蔵五日市駅から藤倉行のバスにのり、 西へ25分、千足のバス停から登山口へ向かう。 7時過ぎに山仲間のアキさんと駅で合流し、 駅前のロータリーでバスを待つ間…

さくら 2023

ベランダのさくらの花が咲いた。 挿し木をして14年目の啓翁桜。 水だけで、肥料もなく、 毎年咲いてくれる。 2023年のお花を、ありがとう。 靖國神社の今年の開花は、 14日のホワイトデーだったよう。 温暖化の影響か、 年々開花が早まっているらしい。 その…

チームラボプラネッツ

江東区の豊洲で2018年から開催されている エキシビジョン「チームラボプラネッツ」へ行った。 オープニングの頃は、とても混雑して、 人混みの苦手なわたしにはハードルが高かったけれど、 パンデミックをのりこえて、 ついに今年いっぱいで終了ということで…

御岳山 奥の院・大岳山など

令和の天皇誕生日の祝日に、 奥多摩の御岳山へ山登りにいった。 先月1月に予定したコース、 御嶽神社の奥の院への初詣だけれど、 雨のために見おくったので、改めて。 ホリデー快速で8時過ぎに御嶽駅に着き、 山なかまのアキさんと合流、 バスとケーブルカー…

2月 2023年

節分と立春を過ぎて、 春の陽ざしを感じられるようになってきた。 確定申告を早々にすませて、ほっとひと息。 ちょうど昨年の今ごろ、 北京オリンピックの最中の2月24日に、 ウクライナへのロシアの侵攻という形で、 西側と東側の戦争が始まった。 大多数の…

御岳山

お正月の松の内が明けて、 初詣の参拝も落ち着いたころ、 青梅の御岳山/みたけさんへ初登山に行った。 中央線のホリデー快速を青梅駅で下車、 各駅停車に乗り換えて、古里駅からのコースをゆく。 気温は比較的あたたかいけれど、 天気は曇りで、予報では15…