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詩 ラピスラズリ

純粋さは 否定によって強化される 繊細すぎる君は 愛を忘れてしまう あなたを想う独りの時間を あなたに侵されたくない とうたっている 動物でも天使でもなく 無邪気な子供のやり方で 青い嵐をおこす わかっている 星の位置は そのうち変わる 思い出す 生ま…

詩 オレンジ

オレンジ色に 塗られたオレンジ 忘れてしまう 忘れてしまったことさえも 忘れてしまう 小さな雪の 降る朝に オレンジ色のくちばしの 鳥が2羽 飛んできた 過去と未来は 現在とともに 形をかえる 花の精は 特別なときに 姿をかえる 花瓶のなかには 鳥のくちば…

詩 いちご

きみが元気になるようにと あなたからのおくりものの 赤いいちご わたしは 熱でほてった 身体をおこして 花束のような 宝石のような あなたのいちごを ほおばった みずみずしく そして このうえなく 甘酸っぱい なにより あなたのやさしさを

詩 りんご

りんごの形をした雲が 水色の空に ぽかりとうかんでいた 空も おなかが空いたのだ ひとくち ふたくち かじられて ちぎれた雲は 流れ消えゆく 音もなく おだやかに

詩 イカロス

私が私の怒りを表現したいとき 私はそれに相応しい場所にいた 私が私の哀しみを表現したいとき 私が私の喜びを表現したいとき 私はそれぞれに相応しい場所にいた 因果は同時に存在している けれど地上では すこし時差があるようにみえている 太陽の光は8分18…

詩 ナナカマド

強い雨の音につつまれて 秋の虫の音につつまれて 時間がきえる 永遠の彼方に 閉じこめられて 読まれることを 待っている書物たち また 書かれざる物語たち 時なき時を みつけては 夢の世界のように 唐突に 不可思議に 大胆に それぞれの 物語をユニークに う…