かぼす 2018

今年もかぼすの季節がやってきた。 猛暑や台風などの変りやすいお天気にもめげず、 むしろ寒暖の差のはげしさも手伝って、 今年はたとえばぶどうの実りがよいときいたけれど、 9月のおわりに届いた大分のかぼすも、 いつになく元気いっぱいだった。 夏はあん…

声楽公開レッスン ウィリアム・マッテウッツィ

先日、国立音楽大学・講堂小ホールで 声楽の公開レッスンを聴講した。 講師はイタリアから招聘された William matteuzzi/ウィリアム・マッテウッツィ教授で、 2015年以来、毎年来日し講義されているそうなので、 今年で4年目・4回目になるのだろうか。 イタ…

バラの花

4月に挿し木したばかりの バラの樹に、一輪の花が咲いた。 まだ背丈も30㎝にならないくらいの 子どもの樹だと思っていたので、 つぼみができて、ふくらんで、 日々すこしずつひらいていく様子に、 ほんとうにびっくりした。 昨年11月に切り花でいただいた時…

ルネ・フレミング 魂の声

アメリカのオペラ歌手 ルネ・フレミ ング/Renée Flemingの自伝 「THE INNER VOICE : The Making of a Singer /魂の声 プリマドンナができるまで」を再読した。 冒頭でも語られているように本書は 人生の自伝というよりも声の自伝、 「私がいかにして自分の…

あつい夏

2018年の夏はほんとうに暑かった。 ときどき台風が通り過ぎて つかの間の涼しさにほっとすることもあったけれど、 またすぐに太陽がギラギラと、 そのうちにメラメラと、 降りそそぐ熱量がすさまじかった。 小学校の中学年頃だったか、 夏休みの宿題のひとつ…

40年

今年2018年の8月で40歳になる。 はじめて到達する年代に、今まで感じたことのない、 ほどよい重みを感じている。 たとえば、木の年輪やバウムクーヘンの重なりを ひとつずつ数えてみる。 1.2.3.4.5・・・10・・・20・・・30・・・と、 30くらいまでは気軽な…

声楽の発表会

猛暑が続く東京は代々木上原のムジカーザで、 声楽の発表会を鑑賞した。 5月から通い始めた声楽教室の発表会と、 フランス歌曲を専門とする先生が敬愛する ドビュッシー/1862‐1918の没後100年を 記念したミニコンサートを併せての、 ボリュームたっぷりのマ…

溥儀 | わが半生 「満州国」皇帝の自伝

初夏から梅雨にかけて 溥儀/ふぎの自伝「わが半生/我的前半生」を読んだ。 昨夏に記録映画「東京裁判」を観た際に、 法廷で証言をする溥儀に興味をもったことと、 ベルトルッチの映画「ラストエンペラー」を 再観したことが、きっかっけだった。 愛新覚羅…

茅の輪くぐり

夏日がつづいている関東地方、 2018年の梅雨は6月29日頃にあけたことを 山手線のトレインチャンネルで知った。 そろそろ夏も本番だ。 翌日、6月も最終日のよく晴れた空に、 太陽をぐるっとかこんだ虹のようなものが現れた。 ちょうどお昼頃だったので 太陽は…

図書館

図書館がすきでよく利用する。 詳しく調べたい事柄があるときは 蔵書検索のデーターベースがとても便利だし、 区内に在庫がないときは 他区の図書館から取り寄せて借りることもできるし、 新しい世界を求めているとき、 あるいはなんとなく、 なにかと近所の…

エルンスト・ルビッチ | To Be or Not to Be

エルンスト・ルビッチ/Erunst Lubitsch の 映画「To Be or Not to Be/生きるべきか死ぬべきか」を観た。 第二次大戦中の1942年にアメリカで制作された本作は、 恋愛と戦争サスペンスとが織り込まれた シニカルなコメディタッチのモノクローム映画だ。 物語…

バラの樹

子どものころ住んでいた祖父母の家の庭に 淡いピンク色のバラの樹があった。 幼児ほどの背丈の若い樹だったように思う。 家を建替えて間もない頃だったので 気ままに造園していたのかもしれない、 あるとき祖母が挿し木という園芸方法を教えてくれた。 ある…

ミルチャ・カントル展 | 銀座メゾンエルメス

先日、銀座メゾンエルメスのギャラリーで ミルチャ・カントル展を観た。 「あなたの存在に対する形容詞」と題された個展は、 1977年ルーマニア生まれのアーティストMircea Cantorが、 人間の存在性というテーマに取組み、 たとえば空気のように顧みられにく…

詩 しゃぼん玉

まんまる きらきら 夢いっぱいに ふくらんだ しゃぼん玉のような こどものひとみが いつしか 音もなく はじけて しぼんでしまうことがあっても だいじょうぶ 地球に やってきたばかりの 幼いたましいは 色々なことを 経験したくて 好奇心で いっぱいだから …

魔の山 | トーマス・マン

ちょうどひと冬をかけて、 ドイツの文豪トーマス・マンの 「魔の山/DER ZAUBERBERG」を読んだ。 1924年に発表された全2巻の長編小説は、 スイスの高原サナトリウムでの療養生活を舞台とした 青年ハンス・カストルプの7年間にわたる成長物語であり、 同時に…

熊谷守一 生きるよろこび

桃の節句が過ぎた頃、 「熊谷守一 生きるよろこび」展を 竹橋の国立近代美術館で観た。 画家・熊谷守一/くまがいもりかずの 没後40年の記念展でもある本展は、 油彩200点と、日記・葉書・スケッチ帳などの 資料およそ80点とが一堂に会した、 はれやかな大回…

詩 藍の月

昼と夜の 淡いはざま 夕暮れどきの ゆらめく空に おとぎ話のような 三日月が ぼうっと うかんでいた やわらかな 藍と桜色とに 彩られた世界は めくるめく 甘美なシンフォニーを 総奏しているかのようだった 青と赤の 優美なドレスを纏った イソヒヨドリが 飛…

さくら 2018

ベランダの啓翁ざくらが開花した。 ピンク色の可愛らしい花に 今年も逢えてうれしい。 ひとあし先の2月に花を咲かせる 寒ざくらや河津ざくらは、 春の本格的な訪れをほのめかせて、 人の心を次の季節へと誘う予言者のよう。 そして、冬と春がせめぎ合う ドラ…

小石川植物園 梅花見

先週末、早春のやわらかい陽射しの散歩日和に、 梅の花が見頃を迎えた 文京区の小石川植物園を散策した。 東京メトロ・丸の内線の茗荷谷駅から 坂を下ること徒歩10分ほどの距離にある植物園は、 都市のなかにありながら半ば隔絶された 大きな緑の箱庭という…

詩 春いちばん

くる日も くる日も くるくると 公転している地球に 季節がめぐるように ひとの心にも 四季があるとしたら 冬の厳しさを やり過ごすように ぎゅうぎゅうと 胸にしまわれた いたみや かなしみは 陽気に 吹きあれる 春いちばんに あずけましょう また 動物たち…

W3 ワンダースリー | 手塚治虫

漫画家・手塚治虫/1928-1989の中期の名作 「W3 ワンダースリー」を読んだ。 きっかけは今年の初夢についての友人との談話だった。 「今年は手塚治虫の漫画ワンダースリーの 物語の終盤がそのまま夢にでてきた」 と唐突に話にのぼるも、ワンダースリーを知…

帯状疱疹とお正月

2018年のお正月は帯状疱疹とともにやってきた。 なにかと気忙しい年末は12月30日の夜に 唐突にはげしい腰痛がはじまった。 大掃除というほどではないが、 普段は手が回りにくい浴室のタイルとか、 冷蔵庫の裏とか、クローゼットの下とか、靴箱とか、 あちこ…

詩 ゆめ

夢をみている 夢をみた 夢のなかの またその夢 そばにいる君と鳥と 夢のなかでも遊ぶ わたしたちがいま 生きている時空は 本当には なんだろう わたしも きみも あのひとも ほんとうに みたい物語 つくりだす 魔法使い 夢をみている 夢をみた 夢のなかの ま…

第2回スペイン音楽国際コンクール・声楽部門

先日、港区の高輪区民センター区民ホールで一般公開された 第2回スペイン音楽国際コンクール本選会・声楽部門を観覧した。 CD音源審査による予選を経た7名の歌手 /ソプラノ4名、メッゾ2名、テノール1名による競演は、 ほどよい緊張感と情熱につつまれた、見…

トニオ・クレエゲル | トーマス・マン

20世紀ドイツ文学の大家トーマス・マンの 初期短編小説「トニオ・クレエゲル」を読んだ。 1903年に出版された「TONIO KRÖGER」は 1901年発表の処女長編「ブッデンブローク家の人々」で 成功を収めた直後の27歳頃に書かれた作品で、 自伝的要素の色濃い、少年…

詩 イヴニング・エメラルド

わたしのなかの 男性はあなた あなたのなかの 女性はわたし 表現されることのなかった可能性を 演じ合う 土に息を吹きかけて 人間をつくった神々は どうしてこれほどまでに 美しく豊かな世界を 完璧につくりだしたのだろう 闇や悪の力さえ その光のうちに 吸…

声楽と合唱

2012年から声楽を学びはじめて5年経つ。 10年続けてなんとか歌えるかどうかというから 順調に半人前になっていればよいのだが。 クラシックの声楽において目指すところは、 腹壁に支えられて、ムラがなく安定した、 基音と倍音のバランスのとれた健康な歌声…

詩 さくらんぼ

ある朝 目覚めて ふと 鏡をのぞくと 見なれた わたしの顔に 見おぼえのない ほくろがふたつ ちょいと くっついていた あら 不思議 いつから あったのだろう いつのまに できたのだろう 毎日みて いるはずなのに あるいは よくみて いないのだろうか まるで …

詩 神無月

秋の深まる 神無月 あちこちの いろいろな 神様たちは いっせいに いづもの国へ むかいます いにしえより つづく かむはかり という 神様たちの寄合が ひらかれるのです 人々が 一年のうちに となえた願い事は おおきくも ちいさくも 美しくも 卑しくも 等し…

ぬか床つくり

先日、雨の降りしきる夕刻に、 ぬか床つくりのワークショップへ参加した。 近年、近所の酒屋さんの軒先でちょいと購入した 自家製のぬか漬けを食べて、はじめて その美味しさに魅了されたことがきっかけで、 またローフードや発酵食の観点からも さまざまな…